できなかったことが、今日できるようになる
別に数学に限った話ではないのですが、「昨日まで自分にできなかったことが、今日できるようになる」ということを楽しいと感じない人は、めったにいないと思います。子供のころ、跳び箱、縄跳びなどをしていて「できた!」という充実感を味わったことは、誰にでもあるはずです。
数学を楽しいと感じないのは「できるようにならないから」という要素が最も大きいのではないでしょうか。数学という教科の特殊性として、過去の学習範囲の重要部分に知識や理解の不足があると、それ以降の学習範囲が理解不能に陥る、という点があります。
たとえば、歴史の授業で、鎌倉時代の授業をしていた時にうっかり居眠りをしていても、江戸時代の授業を理解するのにはほとんど支障がありません。しかし、数学の授業で、連立方程式の授業をしていた時にうっかり居眠りしていたら、一次関数のグラフの交点を求める方法はまったく理解できません。「数学ができない」人のほとんどが、「いま勉強している範囲」「次の中間試験・期末試験の範囲」を勉強しようとしますが、この勉強法は意味がありません。
これが有効なのは「これまでの数学ができている人」だけです。「できない」→「できる」には、別の方法が必要なのです。仮に、
高校1年生なら「中学3年生の基礎問題集の巻末テストで90点以上を取れるか?」ダメなら
「中学2年生の基礎問題集の巻末テストで90点以上を取れるか?」それもダメなら
「中学1年生の基礎問題集の巻末テストで90点以上を取れるか?」それもダメなら
「小学6年生の基礎問題集の巻末テストで90点以上を取れるか?」
・・・90点以上を取れるところまで、どんどんさかのぼります。順にやり直すしかないんです。「だって、俺は高1だし、次の試験範囲は三角比だよ!」とかいっても、小5の算数ができなきゃ三角比なんてできっこないんですから。
それぞれの学年で身につけるべきこと・地盤を固めることが大切ですね。
中学入試テクニックを身に着けるか,振り回されるか?
中学入試はスピードも大切。そのために解法テクニックを覚えていくことももちろん重要。しかしそれが返って子供の考える力を奪っていることもあるのです。
小6の受験期,今この段階に来てつるかめ算が理解できていない子も少なくないはずです。そのような子はまさにつるかめ算を始め,特殊算に振り回されて思考力が奪われているところでしょう。そのまま続けても伸びないとは言いませんが,強引に推し進めても受験前に限界が来るのは目に見えています。
「次はきっと!」と言っていられるのは今の内で,現実的には「後何度教えれば…」となることの方が圧倒的に多いのです。
ならばいっそのこと方針を変えて学んでみてはいかがでしょうか?これは特に特別な技術ではなく,保護者様でもできる方法です。
強いてプロが教える時の違いを言うのであれば,
子どもが現在たどり着いている思考を邪魔せずに,次のステップに気付かせてあげられるかどうか,子どもの思考プロセスに合った解き方(解説に合わせた解き方ではなく,その子の思考回路に無理のない考え方)に導いてあげられるかどうか,といったところでしょう。
ここまで上手くいかなかったとしても,子どもに自力で解かせるというところさえ外さなければ,同じような効果を生むことができます。
「定義・公理・定理」について
◆定義 とは
ある”ことがら”に対して,”名前”を付けることである。ある”ことがら”と”名前”を対応付けることである。定義とは,辞書を作るのようなものです。辞書は,ある「もの」や「こと」に対して,名前が定められています。定義とはそういう「言葉」の意味を定めるものです。
「定義」の例
・2で割れる整数を偶数,割れない整数を奇数という。
・2辺の長さが等しい三角形を二等辺三角形という。
・台形とは?平行四辺形とは?ひし形とは?長方形とは?正方形とは?
・ある点に対して,その点から等距離にある点の集まりを円という。
◎特に、図形の定義は、すらすらと出てくるよう覚えてください。
◆公理 とは
ある”性質”をあらかじめ(証明なしに)正しいと仮定してしまうことである。論理を展開するうえでの”前提”を定めることである。公理とは,性質の決まりごとです。
これは,「なぜそうなるの」とか「証明して」と聞くのは NG で,「そういうもの」として定めたものです。具体例を挙げましょう。
「公理」の例
・異なる2点を通る直線はただ一つ存在する。
・並行でない2直線はただ1点のみで交わる。
・多くの数学では,これらを無意識に仮定しているでしょう。
◆定理とは定義、公理を使って、「正しい」と証明された事柄。
例えば、
・二等辺三角形の底角は等しい。
・二等辺三角形の頂角の二等分線は、底辺を垂直に二等分する。などです。
※少なくとも、「定義」とは何かをきちんと整理して覚えてください。
数学を勉強するときの心得
数学の学習をするうえで、あまり教科書や参考書に直接書いてくれてはいないけれども、大事にすべき考え方があります。数ある考え方の中でも、特に数学が苦手な方、苦手ではないけどそこまで飛び抜けた成績を出すことができていない方にとって、非常に有効なものをご紹介します。
定義・定理・公式・性質の内容を正確に理解し、覚えておきましょう。そもそも覚えない、あるいは覚えたとしても丸暗記するということはNGです。理解して覚えてください。結局問題を解くために覚えているのであって、もちろん覚えるために覚えているのではありません。
とにかく公式だけ丸暗記している人を見かけますが、結局その人はその公式をどう使えばいいか考えたことがないので、その公式を使用する問題に出会っても、使おうという発想に至ることができません。なんのことかわからないものを覚えても一生使えないままです。この性質はいったいどういうことか?なぜこんな性質が成り立つのか? という疑問を持ちながらひとつひとつを理解していきましょう。
内容を覚えるだけでなく、「何に役に立つのか」「何ができるようになるのか」を考えてみること。もちろんその知識を使う問題を見ながら、セットで理解するのが一番良いですね。必要があれば教科書を使って証明を確認することもしてください。
きっと良い成果につながると思います。
勉強へのやる気を出す方法
簡単に始められる内容が多いので、是非実践してください。
1.不要なものを視界から排除する
「やる気がでない理由」スマホやテレビ、漫画はもちろんですが、勉強関連の資料や本であっても、現在行っている勉強意外のものが、視界に入ることで集中が途切れてしまうのです。
数学の勉強をしている時に、英語の教材が視界に入るだけで、脳がその情報を処理する無駄なエネルギーを消費してしまいます。最低限、デスク周りは今こなしているもの以外は視界から排除するようにしましょう。勉強に集中出来る環境を作りましょう。
2.勉強時間の締めを区切って勉強する(締切効果)
「締切効果」とは、たまった宿題を夏休みの終わりギリギリに、これまでにないスピードで終わらせる人っていますよね。勉強時間に締め切りを設けることで、やる気を後押しし、さらに勉強に集中できるのです。
例えば、夜の21時までにこのドリルを終わらせる。または、朝8時までにこのページを全て暗記する。など、締めの時間を設定して、自分に課題を設けることで、いつも以上にやる気が出て、集中できるのです。
3.とにかく勉強してみる(作業興奮)
やる気がなくても、まずは勉強してみることで「作業興奮の効果」が作用し、やる気が出てくるのです。「作業興奮」とは、脳科学で言うドーパミンという、やる気成分が脳の側坐核を刺激することで出るのだそうです。わかりやすく言うと、スポーツする前に軽いウォーミングアップすることでやる気になってくるやつです。やる気がなくても、やってみることでやる気が出てくる。ということなのです。
4.目標を書き出す
勉強する目標が決まったら、それを書き出しましょう。人間の記憶はいい加減なので、せっかく目標を決めても、書き出してなければ忘れてしまったり、都合よく簡単な目標にすり替えてしまったり、なかったことにしてしまったりするのです。