子どもの思考力や創造力を高める
イギリスで行われたある研究では、9歳~11歳の子どもに空き缶や新聞紙などの日用品の利用法を挙げさせる実験を行ったところ、身振り手振りの多い子どもほど、創造的なアイデアを数多く思いつくという結果が出たそうです。
手の動作が、物体の大きさや形などを想像することにつながり、そこからクリエイティブな使い方を思いつくことが原因なのではないかと推察されています。
子どもに手をどんどん動かすように促そう!手を動かすことで、思考の道筋がひらけるという効果については、勉強以外の場面にも応用できそうですね。パパやママは、ぜひお子さんに「手を動かす」ことを促してみましょう。
手を動かして、何かを「書く」ということは、子どもの思考力や創造力を高めてくれる大切な行為なのです。
「じっとしていなさい!」「落ち着いて!」と注意したくなりますが、その体の動きや手の動きが子どもの可能性を広げてくれているかもしれません。
ぜひ家庭でも、子どもに手を動かして考える習慣を身につけるように促してみませんか?
数学が得意な子は、まず手を動かす!
数学オリンピックに出場するような数学が得意な子供たちは、問題を見て、すぐに答えがすぐにわからなくても、まずはとにかく手を動かして「書きながら」考えていくという共通点があるそうです。
こんな実験結果もあります。ある小学校で、小学生に数学の問題を解かせました。
その後、子供たちを2つのグループに分け、一つ目のグループには問題をどうやって解いたのかを手を使って、書いたりすることによって説明させ、二つ目のグループには口頭のみで説明させました。
すると、強制的に手を使って説明させられたほうのグループのほうが、問題解決能力が高まることがわかりました。
つまり、答えがすぐに分からなかったとしても、数字や文字、図形や表など頭に浮かんだアイデアを視覚化することによって、思考が整理され、解決までの道筋が見えてくるというわけです。身振り手振りが多い子供ほど創造性が高い!
創造性を高めるのにも、手の動きが役立つことがわかっています。図形を描く練習もさせています。
学習塾にかかるコスト
「コスト」に見合うだけの「価値」はどうやったら得られるのでしょう。
先生の質を上げればいい?先生が指導を工夫すればいい?もちろんそれは大事なことです。もうひとつ大事な要素があります。
指導効果は先生の努力と生徒の努力の掛け算で成り立っています。
先生が1000円分の授業を提供しても生徒さんのやる気が0だったら価値は0になってしまいます。
例えば芸術鑑賞で、チケット代が10000円以上するお芝居を見たとしましょう。
Aくんは全く興味を持たずに居眠りしてしまい、Bくんは感動をしてその後の人生に影響を及ぼした、ということもあるかもしれません。Aくんがそのお芝居に全く価値を見いだせなかったのに対し、Bくんは10倍にも20倍にもして自身に返すことができました。
意味を見いだせない人や寝てしまう人は、それに対する自分の感性や姿勢を振り返ってみましょう。
実は自分のやる気や学習態度が透けて見えることだと気づきます。
中学・数学、高校・数学の広がりと深まり
高校数学教師・大手塾講師など誰でもできる。三問ほど予習して、黒板に書きながら説明したらいいのだから。生徒の質問にその場で質問に即答できるか?
ある教師は、明日までに解いてくる。ある教師は、考えとく…と言いながら、その後なしのつぶて。翌日、解説できる教師はまだ良いほうです。
城東高校・奈良女子大・数学科卒・若き女性教師だけでした。「あぁ、これね。こうして考えたら簡単ね」いつも即答でした。生徒から、絶大な信頼感と羨望の的でした。学生から難問を質問されて、リアルタイムで、回答解説できる高校教師は、少ない。同じく中学教師も。
中学・数学、高校・数学は学習内容の広がりと深まりに、それほどの大きい違いがあります。高校進学し理系を選んだら、中学数学に費やした時間の二倍・三倍の努力が必至です。中学生の時に、もたもたやってる場合じゃありません。
お受験算数・「特殊算」は賛否両論があります。指導要領では、小学生は「方程式」を使ってはいけないのです。ところが、中学・高校になればすべて方程式を立てて解決します。特殊算は「方程式」を使わないで解く方法を塾講師たちが作り出したものです。「流水算」、「年齢算」など、それぞれの単品だけに通用するものです。「方程式」は、全ての分野に活用でき簡単に答えを導き出せます。
中学数学を徹底して固め、何が出題されてもなんとか解決できる。常に90点台取っていないと県下指折りの高校進学校へ進んでも、苦労するかもしれません。
算数・数学こそ学問に王道無し。基礎からの積み上げが大切です。
算数・数学は、手間をかけたら、その分だけ理解が深まる。
手を動かすことの意味
しぶしぶ手を動かして、ノートに数式や図を書いてみる。そうすると、不思議なことに、だんだんわかってきます。たくさん書けば、書いた分だけ、理解が進む。名物講師が「手を動かしなさい」というけど、あれは本当です。
「手で書く」という行為は、時間がかかるし、両手もふさがる。だから、その問題に向き合わざるを得なくなる。一文字ずつ手で書きながら、その問題について、順番に、ゆっくりと考えることになる。
授業をなんとなく眺めて、教科書をチラっとみて、テスト前にちょっと見直して、テストを受ける。こんな感じで、できるわけがないですね。
わからないことが増えるに従い、ついていけなくなります。単純に「手で書くのは面倒」だと思うかもしれません。でも、問題に向き合って、なにもしなければ、ただ問題文を見つめているだけ・時間が過ぎていくだけです。面倒くさいですが、問題文の要旨を写してみましょう。なにかヒントが浮かび上がります。
手間をかけたら、その分だけ理解が深まります。「職人さん」でも同じです。「大工さん」「鍛冶屋の包丁造り」「ネイルアーティスト」より良い作品を生み出せます。これは数学だけの話ではなく、わりとなんでもそうですね。いろんなことを面倒くさがってやらないし、やってみると意外と簡単にできたりする。
「わかる」ってこんなことかも。