命題というのは数学以外にも哲学等で使われる言葉です。
「命題と真偽」
例えば「△ABCと△DEFは合同である」のような文を命題といいます。
この文についてですが、もし2つの三角形が、本当に合同であれば、この文は正しいことを言っています。これを「真」といいます。
もし合同ではないのなら、間違っています。これを「偽」と言います。
このように真か偽かが判定できる文を命題と言います。
次の命題は真か偽か判定してください。
①「8×7=52である」
②「私は今、イライラしている」
③「xⁿ+yⁿ=zⁿ において、nが3より大きい整数であるとき、x、y、zがすべて1以上の整数となるx、y、zの組は存在しない」
解答
①偽
②場合によって真にも偽にもなる。
「今」イライラしているかは、「今」がいつかによります。
例えば昨日イライラしていて、今日イライラしていなかったら、昨日は真だけど今日は偽です。なのでこれは場合によります。
③真
イヤ、シラネーヨって思いますが、実はこれは真です。この命題にはフェルマーの最終定理という名前がついています。
「フェルマーの最終定理 サイモン・シン 青木薫訳」
こんな感じです。
公理とは何?
みかんが2個とりんごが3個合わせて5個・・・どうしてといわれても、「そうだから」としか言えない。
また、「a=bのとき、a+c=b+c」ですね。
これはつまり=の左右に同じ数を足してもいいということを意味しています。
これらは当たり前すぎて証明できないわけです。当たり前…としか言えない事柄を「公理」といいます。
「平行線は交わらない」これは証明できません。そして、普通の平面では成り立ちますが、球の表面等の曲面上だと、平行線が交わる場合があります。
つまり平面ではこの命題は公理ですが、曲面だと公理ではなくなるわけです。
定義とは何?
「定義」とは,用語の意味をはっきり述べたもので,基本的には,1つの用語に対して1つの説明しかありません。
それに対して,定義から導かれたもの(証明された事柄)を「性質」や「定理」といいます。
かくれんぼをします。10数えてから、探してください
「1.2.3.4.5.6.7.8.9.10」なんでこの順番なんでしょうか?それはそういう順番ですよと、人間が決めたからです。
このように何かを決めることを定義すると言います。そして、その決めた内容を定義と言います。
これは私たちが勝手に決めたことなので定義は証明できません。
今回の場合だと、人間が数をあの順番で定義したわけです。
例えば中学生の定義は、「中学校に入学している人」です。
定義というのは、その言葉を辞書で調べたときに書いてある言葉みたいなイメージです。
また、言葉ではなく文字や数式を定義することもできます。
例えば
「x=3」と定義すれば「x+2=5」です。
「x とyはどちらも整数」と定義すれば「(x+y)は整数」です。
定理とは何?
三角形の定義とは何でしょうか?予想してみてください。
三角形とはどんな図形か考えてみます。
辺が3つ、角が3つ、内角の和が180度・・・たくさん出てきました。
この中に定義はありません。
三角形の定義は
「同一直線上にない3点と、それらを結んだ3つ線分によってできる多角形」です。
そして、この定義と「平行線の同位角は等しい」という公理から
三角形の内角の和は180度ということが証明できます。
定義や公理から証明できるものを定理と言います。
定理から定理を証明することもできます。
どんなに当たり前じゃんと思っても、何らかの形で証明できてしまえばそれは公理ではなく定理となるわけです。
【下図の補足】
★三角比 sinθ三本線・cosθ三本線・tanθ三本線を利用すれば、θがどのような値を
とっても確定できます。
一覧表でsinθ・cosθ・tanθの値を覚える必要はありません。
(※三角関数(-∞≦θ≦+∞) 範囲が拡張されても、簡単です。)
★三角定規の角度…30°、45°、60°、90°の倍数しか出題されません。
★360°の倍数は、単位円で一周二周するだけです。
マイナスの角度は、時計回りをマイナスで表しているだけです。
■ぜひ、三本線をマスターしてください。鉛筆1本で値が出ます。