算数・数学が得意になるために必要なのは、基礎が大切
基礎基本を無視して活用はあり得ません。私は基礎基本を徹底して叩き込みます。方法は反復がメインです。訓練って言うなら、この方法を超えるやり方で結果を出せますか、って言います。伸ばせばすぐ伸びる子どもたちも、計算力も低いまま中学へ行くことも多いでしょう。
それでは中学での数学の授業は、教師も子どももつらいと思います。基礎的な問題を本質から理解することに、ほとんどの時間を使うべきです。基礎の徹底で大抵の子どもは伸びる、またはその素地ができあがります。地盤を固めてから次のステップへと進みましょう。
数学なら計算を含む基礎的な問題は、たくさん解かせます。ステップアップした問題は、1つの問題を時間をかけてみっちり指導して、「分かった」「出来る」と感じられるようにしていくほうが伸びていきます。先取り学習は諸刃の剣です。
「国語」ができる子どもは他の教科も後から伸びてきます!「算数」ができなければ後になって「数学」だけでなく理系教科全般で苦労します!小学生には「英語」や「プログラミング」などより「国語」と「算数」をしっかり学習させるべき!だと感じます。
個別指導塾がサポートします。
特殊算についての基礎知識
そもそも特殊算って? 特殊算の正体とは…特殊算とは算数の分野で登場する解法で、鶴亀算、旅人算などがあります。でもこれらは、学校の教科書には載っていません。塾の先生を中心とした有識者が 小学生にも分かりやすいように解法を考案し名前をつけ…それが浸透したものです。
ただし、鶴亀算だけはその起源は江戸時代までさかのぼります。中国の数学書をベースに江戸時代に広まったものです。ただ、大部分の特殊算は中学受験の塾の先生が考えて広まったものと考えて下さい。広まった時期も考案者の先生もバラバラです。まったく体系化されていません。
特殊算は全部で概ね23種類中学受験の情報サイトや大手受験塾のテキストなどを総括すると、特殊算は概ね23種類くらいになります。インターネット上の受験情報を調査するとマニアックな特殊算も存在しますが、中学受験の世界で市民権を得ているのはこれくらいになります。
ちなみに全く同じ解法なのに違う名前がついているものもあります。例えば”差集め算”と”過不足算”という特殊算は同一のものです。差を集めて解くという解法に着目すると”差集め算”…問題文の特徴を表すと”過不足算”…同じものですが、名前をつけた方のセンスですね。
逆に…全く同じ問題なのに、違う特殊算で解けることもあります。この問題は◯◯算でも解けるし□□算でも解ける…みたいに23種類の特殊算は“色んな解法の集まり”と理解するのが正解でしょう。
サクシードでは、お受験が必要な生徒さんには一緒に考え指導します。お受験しない生徒さんには、あえて触れることはしていません。
中学生からは、方程式で、すべて解決できるからです。
小学生の勉強の大切さ
小学生の勉強の大切さについて、中学の学習との関連でお話しします。中学の学習内容は小学校の学習を前提にしていますので、中学の教科書は小学校で学ぶ基本事項にあまり触れずに、その応用で始まります。
具体的に実際の例で見てみたいと思います。例えば算数の分配法則や結合法則小4の「計算の工夫」で12 x 5の計算を(10+2) ×5として解くことを学びます。ただ12 ×5の計算は、小学生にとって筆算で解いたほうがずっと簡単なため、分配法則を学ぶ必要が感じられません。
また分配法則という言葉も習いませんので、印象に残りません。あまり使わない、名前すら知らない法則を、忘れてしまうことになるのは自然な成り行きです。
中1になった最初の頃に学ぶもの中1の最初に、この「計算の仕方」で出てきたものが「分配法則」、「結合法則」と言う名前ですと知らされます。そして特に基本を理解し十分に慣れるという時間もなく、この法則を使って正負の数や文字式を扱うことから始まります。
結果的に理解力の良い子供ですと、この法則の意味をすぐ理解し、正負の数や文字式の計算でも使い始められますが、それができない子供も少なくありません。これらが使えるという前提で、次に方程式に進み、やがて関数へと進んでいきます。
数学が分からない、苦手という子供が出てきても不思議ではないと思います。このように、小学校の学習内容は中学の勉強に密接に繋がっていますが、中学入学後にいきなり躓いてしまうと、高校入試も厳しくなってきます。
先取りよりも基礎作り・基盤づくりを大切にしてほしいと思います。
できなかったことが、今日できるようになる
別に数学に限った話ではないのですが、「昨日まで自分にできなかったことが、今日できるようになる」ということを楽しいと感じない人は、めったにいないと思います。子供のころ、跳び箱、縄跳びなどをしていて「できた!」という充実感を味わったことは、誰にでもあるはずです。
数学を楽しいと感じないのは「できるようにならないから」という要素が最も大きいのではないでしょうか。数学という教科の特殊性として、過去の学習範囲の重要部分に知識や理解の不足があると、それ以降の学習範囲が理解不能に陥る、という点があります。
たとえば、歴史の授業で、鎌倉時代の授業をしていた時にうっかり居眠りをしていても、江戸時代の授業を理解するのにはほとんど支障がありません。しかし、数学の授業で、連立方程式の授業をしていた時にうっかり居眠りしていたら、一次関数のグラフの交点を求める方法はまったく理解できません。「数学ができない」人のほとんどが、「いま勉強している範囲」「次の中間試験・期末試験の範囲」を勉強しようとしますが、この勉強法は意味がありません。
これが有効なのは「これまでの数学ができている人」だけです。「できない」→「できる」には、別の方法が必要なのです。仮に、
高校1年生なら「中学3年生の基礎問題集の巻末テストで90点以上を取れるか?」ダメなら
「中学2年生の基礎問題集の巻末テストで90点以上を取れるか?」それもダメなら
「中学1年生の基礎問題集の巻末テストで90点以上を取れるか?」それもダメなら
「小学6年生の基礎問題集の巻末テストで90点以上を取れるか?」
・・・90点以上を取れるところまで、どんどんさかのぼります。順にやり直すしかないんです。「だって、俺は高1だし、次の試験範囲は三角比だよ!」とかいっても、小5の算数ができなきゃ三角比なんてできっこないんですから。
それぞれの学年で身につけるべきこと・地盤を固めることが大切ですね。
中学入試テクニックを身に着けるか,振り回されるか?
中学入試はスピードも大切。そのために解法テクニックを覚えていくことももちろん重要。しかしそれが返って子供の考える力を奪っていることもあるのです。
小6の受験期,今この段階に来てつるかめ算が理解できていない子も少なくないはずです。そのような子はまさにつるかめ算を始め,特殊算に振り回されて思考力が奪われているところでしょう。そのまま続けても伸びないとは言いませんが,強引に推し進めても受験前に限界が来るのは目に見えています。
「次はきっと!」と言っていられるのは今の内で,現実的には「後何度教えれば…」となることの方が圧倒的に多いのです。
ならばいっそのこと方針を変えて学んでみてはいかがでしょうか?これは特に特別な技術ではなく,保護者様でもできる方法です。
強いてプロが教える時の違いを言うのであれば,
子どもが現在たどり着いている思考を邪魔せずに,次のステップに気付かせてあげられるかどうか,子どもの思考プロセスに合った解き方(解説に合わせた解き方ではなく,その子の思考回路に無理のない考え方)に導いてあげられるかどうか,といったところでしょう。
ここまで上手くいかなかったとしても,子どもに自力で解かせるというところさえ外さなければ,同じような効果を生むことができます。