『学びて思わざれば則ち罔(くら)し、思いて学ばざれば則ち殆(あやう)し』
「教えてもらっただけで自分で考えることをしなければ、本当に理解したことにはならない。反対に学ぶことをせずに自分の考えだけで行動しては、独断に陥ってしまい危険である」
書物によって学び、先輩について学び、どんなに学習しても、その学んだところを、自分の頭で考え、自分の心に問うて考えない限り、学んだことがぼんやりとして、生きた知恵とはならない。
これに反して、自分の乏しい知識経験でただ心の中で思索のみにふけって、先人の教えや業績に学ぶことをしないと、独善に陥り、的を外れた方向に進み危険この上ないものであると教えています。
書物を読む時、人の話を聞く時、たんにそれを鵜呑みにするのではなく、自分の頭で考えながら読み聞くことが必要です。そうしないと、いい書物を読み、有益な話を聞いてもそれだけで、何も身につかなくて終わります。生きた知恵とはなりません。
逆に、自分の頭であれこれ考えるだけで、広く他人の経験や知識に学ぼうとしないと、独り善(よ)がりとなり狭い殻に閉じこもることになります。
着実な前進の為には、先人の業績を尊重し、それに学ぶことが必要です。学ぶ気持ちを持ち続け、学んだことをしっかりと考えて理解する。その上で、正しい行いをすることというのが、理想的な生き方でしょう。
子曰く、学びて思わざれば則ち罔(くら)し、思いて学ばざれば則ち殆(あやう)し。