小学生の勉強の大切さ
◆一般的に中学の学習内容は小学校の学習を前提にしています。中学の教科書は小学校で学ぶ基本事項にあまり触れずに、その応用で始まります。具体的に実際の例で見てみたいと思います。
『算数の分配法則や結合法則』、小4の「計算の工夫」で12 x×5の計算を(10+2)×x 5として解くことを学びます。ただ12 x 5の計算は、小学生にとって筆算で解いたほうがずっと簡単なため、分配法則を学ぶ必要が感じられません。分配法則という言葉も習いませんので、印象に残りません。あまり使わない、名前すら知らない法則を、忘れてしまうことになるのは自然な成り行きです。
◆中1になった最初の頃に学ぶもの
中1の最初に、この「計算の仕方」で出てきたものが「分配法則」、「結合法則」と言う名前ですと知らされます。特に基本を理解し十分に慣れるという時間もなく、この法則を使って正負の数や文字式を扱うことから始まります。
結果的に理解力の良い子どもなら、この法則の意味をすぐ理解し、正負の数や文字式の計算も使い始めます。それができない子どもは少なくありません。これらが使えるという前提で、次に方程式に進みやがて関数へと進んでいきます。数学が分からない、苦手という子どもが出てきても不思議ではないと思います。
◆小学校の学習内容は中学の勉強に密接に繋がっています。中学入学後にいきなり躓いてしまうと、高校入試も厳しくなってきます。
そしてさらに分配法則・結合法則の例でいいますと、連立方程式、展開、因数分解へとつながり、二次方程式、二次関数へと発展して行きます。高校入試で必ず出題されるものばかりです。これらが全て小学校からの積みあげになっているということになります。
◆中学で扱う応用から克服するのは決して簡単ではありません。反抗期と言う難しい時期にある中学生にとって、「できないからつまらない」、「自信がなくなる」、「学校で引け目を感じる」という状態になると、自己をどう確立するか、高校進学や将来をどう考えるか、難しい状況になって行きます。
やはり小学校のうちからきちんと学んでおくこと、そして学習習慣だけでなく学習内容も、とても大切なものとなります。
■「立方体は断面が正六角形になるように切ると二等分できる」ってことを初めて知ったとき、めっちゃ感動したのを覚えています。
確か小学6年生のころだったかな■